空の便、徐々に運航再開 海は10日以降の見通し 奄美群島

2023年08月09日

自然・気象

台風6号の影響で「全便欠航」の張り紙が掲示され続けている名瀬新港待合所=8日、奄美市名瀬

台風6号の影響で欠航が続いていた奄美群島内外を結ぶ空の便は8日、与論─那覇(沖縄)路線の往復2便が運航を再開した。9日は群島と鹿児島を結ぶ全便の欠航が決まっている一方、台風が遠ざかる群島間や各島と東京、大阪、那覇を結ぶ便は運航する見通し。海の便は早くて10日鹿児島発下りから再開し、11日以降に群島各島へ寄港する見通しだが、台風の進路や進行速度など次第ではさらに遅れる可能性もある。

 

空の便は7月末以降、8月8日にかけて群島各島で台風による全便欠航、空港閉鎖が相次いだ。8月1日まで奄美大島で開催された全国高校総合文化祭(かごしま総文)郷土芸能部門参加校の関係者も島から出られない事態となったが、台風が一時的に遠ざかった同月3、4日の臨時便などで対応した。

 

9日、欠航が決まっているのは群島各島と鹿児島を結ぶ全便と奄美大島発福岡行きの便。ほかの便も台風の動向次第となる見通しだ。日本航空(JAL)は総文関連でいまだ奄美大島を出られていない沖永良部高校エイサー部の関係者に配慮し、奄美大島│徳之島、徳之島│沖永良部と乗り継ぐ臨時便を運航する。

 

海の便も7月末以降、定期船や貨客船の欠航が続いている。群島内外を結ぶ物資運搬の要であり、島民生活への影響は長期化。特に日持ちしない食料品を扱うスーパーやコンビニエンスストアなど小売り店の関係者や利用者らからの船便再開を望む声は大きい。

 

今後の見通しについては、8日午後5時現在、定期船、貨物船ともに10日鹿児島発下り便が運航すれば、11日以降に群島各島へ寄港する予定となっている。ただ運航予定の一部船舶は鹿児島、熊本両県にまたがる八代海で避泊しており、台風の動向次第で運航再開が遅れる可能性もある。

 

奄美大島で路線バスを運行するしまバス(本社奄美市)は9日、屋鈍線のデマンド(予約)便を除いて通常運航すると発表した。